引きこもり支援センターの予約方法を電話・受付時間・必要な準備の3ステップで解説するインフォグラフィック

引きこもり地域支援センターの予約は、お住まいの自治体のセンターに電話で行います。受付時間は平日9時〜17時が中心で、初回の来所相談は予約から2週間〜1ヶ月先になることが多く、相談料は無料で、ご家族だけでの予約も可能です。

「電話をかけたいけれど、何を話せばいいのか分からない」「予約を取るときに名前を言いたくない」「家族の状況をうまく説明できる自信がない」というご相談を、当サイトでもよくいただきます。実際のところ、最初の電話で完璧な説明をする必要はありません。ここでは、電話予約の流れ、受付時間の目安、伝えるとスムーズになる情報、家族からの予約の進め方を、現場の事例を交えて整理します。


予約の基本は「電話」から

引きこもり地域支援センターへの予約は、ほぼすべての自治体で「電話」が基本の連絡手段です。多くのセンターはメール窓口やWeb予約フォームも設けていますが、初回の状況確認や日程調整がスムーズに進むため、電話を第一選択肢として案内している自治体が大半です。

電話を選ぶ理由は、相談員の側にとって、声のトーンや話のテンポから「いま緊急性が高い相談か」「ご家族が落ち着いて話せる状態か」「来所が可能な状態か」を判断しやすいためです。当事者ご本人がすぐ話せる状態でなくても、ご家族からの電話で「本人は外に出られない状況」と一言伝えれば、訪問支援を含む選択肢の提示につながります。

電話以外の手段として、一部のセンターでは下記のようなチャネルを設けています。詳細は次のH2「メール予約・Web予約ができるセンターはあるか」で解説します。

  • センター窓口でのメール相談(返信に1週間程度かかることが多い)
  • 専用Webフォームからの予約申し込み
  • SNS(LINE等)を使ったテキストでの初回受付

電話予約の具体的な手順

電話予約は、お住まいの自治体のセンター番号を確認し、受付時間内に電話をかけ、相談員と相談日を調整するという3つのステップで完結します。慣れない電話を前にすると緊張するものですが、相談員は引きこもりに関する相談を毎日受けており、話の進め方は完全に向こうがリードしてくれます。

ステップ1|お住まいの自治体のセンター番号を確認する

まず、ご自身が住んでいる都道府県または政令指定都市の引きこもり地域支援センターの電話番号を確認します。お住まいの自治体のセンター連絡先は、当サイトの全国の引きこもり地域支援センター一覧から探せます。市区町村レベルで独自のひきこもり相談窓口を設けている自治体もあり、より身近な窓口を希望される場合は、お住まいの市区町村役所の福祉課や保健センターに問い合わせる方法もあります。

ステップ2|受付時間内に電話をかける

受付時間内に電話をかけます。多くのセンターは平日9時〜17時を基本としており、土日祝・年末年始は休業です。電話に出た受付者または相談員に、「初めて相談したいのですが」と切り出すだけで大丈夫です。「予約したいのですが」でも通じます。続けて、相談したい人がご本人かご家族かを聞かれます。

ステップ3|相談日を調整する

初回の相談方法(電話相談か来所相談か)と、希望日時を相談員と調整します。来所相談は予約から2週間〜1ヶ月先になることが一般的です。電話相談で済ませる場合は、改めて電話相談用の枠を予約する形、もしくは初回電話で1時間程度かけて聞き取りを行う形のいずれかです。希望があれば「まずは電話相談で様子を見たい」と伝えても構いません。


受付時間は平日日中が中心

引きこもり地域支援センターの受付時間は、ほとんどの自治体で平日9時〜17時が中心です。夜間・土日祝の受付を行っているセンターは限られており、お仕事をお持ちのご家族の場合は、お昼休みや有給休暇を使って電話することになるケースが多いのが実情です。

受付時間の傾向は次のとおりです。

  • 標準的な受付時間:平日9時〜17時(一部は8時30分〜17時15分など)
  • 昼休み:12時〜13時は受付対応外のセンターが多い
  • 夜間対応:一部のセンターで月数回、19時頃までの夜間相談を実施
  • 土曜開所:政令指定都市の一部センターで月1〜2回程度実施
  • 祝日・年末年始:原則として休業

「平日の昼間に電話するのが難しい」という方は、お住まいの市区町村レベルの相談窓口を併用する方法も検討してください。市町村の福祉課や生活困窮者自立相談支援窓口は、より柔軟な時間設定をしている場合があります。また、夜間・休日対応の電話相談として、各自治体や厚生労働省が委託する民間の相談ホットラインを活用する選択肢もあります。

緊急性の高い状況(自傷他害の恐れがある、生命に関わる事態など)の場合は、引きこもり支援センターの予約を待つのではなく、地域の精神保健福祉センター、保健所、もしくは警察・救急の各窓口へ直接ご連絡ください。


予約時に伝えるとスムーズな情報

初回の電話予約の段階では、当事者ご本人とご家族の関係、ご本人のおおよその年齢、引きこもりの大まかな期間、これまでに利用した相談機関の有無、当日相談したい主なテーマ、の5点を伝えられると、相談員が適切な担当者を割り当てやすくなります。すべて完璧に答える必要はなく、「分からない」「詳しくは話したくない」もそのまま伝えて大丈夫です。

事前に整理しておくとスムーズな情報は、次の5点です。

  • 1. 関係:相談されるのはご本人ですか、ご家族(親・きょうだい・配偶者など)ですか
  • 2. ご本人の年齢:おおよその年齢層(10代/20代/30代/40代/50代以上)
  • 3. 引きこもりの期間:いつ頃から引きこもりの状態になったか(数ヶ月/1〜3年/5年以上/10年以上など)
  • 4. 過去の利用機関:これまでに精神科・心療内科、サポステ、福祉事務所などに相談したことがあるか
  • 5. 相談したいテーマ:「家族としてどう接していいか分からない」「就労につなげたい」「医療機関を紹介してほしい」など、当日話したい主なこと

これらは「分かる範囲で」で構いません。「ご本人の年齢は40代だが、それ以上は本人と話せていないので分からない」という回答でも、相談員は問題なく予約を進めてくれます。話したくない項目があれば「その点はまだお話ししたくない」と伝えれば、無理に聞かれることはありません。

初回相談で何を話すかについては、別ページの引きこもり支援センターへの初めての相談ガイドで詳しく解説しています。


本人ではなく家族が予約してもよいのか

ご家族だけで予約することは可能で、引きこもり支援の現場ではむしろ「家族からの相談」が利用の入口として最も多いケースです。「本人を連れてこられないので相談できない」と諦めてしまうご家族が多いのですが、その前提自体が誤解です。本人不在のまま、ご家族だけが継続的に相談を続けるケースも珍しくありません。

家族が予約する場合の主なパターンは、次の3つです。

パターンA|本人にはまだ相談していない段階

「子どもの引きこもりが心配で、自分(親)だけで情報を集めたい」という段階です。本人に相談を持ちかける前の、家族側の準備として支援センターを利用するパターンで、最も多い利用ケースです。本人に伝えるか伝えないか、伝えるならどんな言葉を使うか、というところから相談員と一緒に考えていけます。

パターンB|本人は相談に同意しているが、外出が困難

「本人も話を聞いてほしいと言っているが、外に出る気力が出ない」という状況です。この場合は、ご家族が来所して初回相談を行い、その後、本人の状態に合わせて訪問支援(アウトリーチ)に切り替える、もしくは電話相談を本人と続ける、といった段階的な進め方ができます。

パターンC|きょうだい・親戚として周辺から関わりたい

「実家の親が高齢になり、引きこもりの兄/姉/弟/妹のことが心配」「親戚として何か力になれないか」というケースです。きょうだいや親戚など、ご本人の同居家族でない方からの相談も受け付けています。8050問題に直面しているご家族の場合、親世代だけでなく次の世代が予約するケースも増えています。

ご家族からの予約で大事なのは、「本人の同意がなくても予約できる」という点です。相談時にご本人の名前を出したくない場合は、その旨を予約段階で伝えれば、相談員はご本人の個人情報を控えずに相談を進めてくれます。


メール予約・Web予約ができるセンターはあるか

メール予約・Web予約・SNS(LINE等)からの予約に対応している支援センターは増えていますが、対応の有無や運用方法は自治体ごとに大きく異なります。「電話をかけるのがどうしても難しい」という方は、まずお住まいのセンターの公式サイトで、電話以外の連絡手段が用意されているかを確認してください。

対応チャネルの傾向と、利用上の注意点は次のとおりです。

メール予約に対応しているケース

多くの都道府県・政令指定都市センターは、公式サイト内の問い合わせフォームまたは専用メールアドレスを設けています。返信までに数営業日かかるため、急ぎでない場合に向いています。メール本文には「初めて相談したい」「電話か来所どちらを希望するか」「日中つながりやすい時間帯」を記載しておくと、相談員からの返信がスムーズです。

Web予約フォームに対応しているケース

一部のセンターでは、自治体ポータルサイト経由での予約フォームを公開しています。フォーム入力のみで日時調整までを完結できるケースは少なく、フォーム送信後に相談員から電話またはメールで連絡が来て、本予約となる流れが一般的です。

SNS(LINE等)で初回受付しているケース

若年層向けの相談窓口を併設しているセンター(子ども・若者総合相談センター等)では、LINEでの初回受付を行っているところがあります。テキストでのやりとりに慣れている若年層の当事者ご本人が、自発的にコンタクトを取りやすい仕組みとして用意されています。

いずれの方法でも、お住まいのセンターの公式サイトで対応の有無を確認するのが確実です。電話以外の方法を希望される旨は、最初のメッセージで伝えておくと、その後のやりとりがスムーズになります。


予約当日までに準備しておくとよいこと

初回相談の当日までに、ご本人の状況のメモ、これまでの経緯のおおまかな時系列、相談したいことのリスト、印鑑や保険証などの持ち物の4点を準備しておくと、限られた相談時間を有効に使えます。準備が間に合わなくても相談自体は受けてもらえますが、整理しておくと相談員との会話がスムーズになります。

準備しておくとよい4項目は次のとおりです。

1. ご本人の状況メモ

ご本人の年齢、性別、現在の生活状況(食事は家族と一緒か別か、外出の頻度、家族とのコミュニケーション状況、睡眠時間など)を、簡単なメモにまとめておきます。記憶を頼りに口頭で答えるよりも、メモを見ながら答えるほうが落ち着いて伝えられます。

2. これまでの経緯のおおまかな時系列

「いつから引きこもり状態になったか」「きっかけと思われる出来事はあったか」「これまでにどんな支援機関を利用したか、その結果どうだったか」を、年・月単位の大まかな時系列でメモしておきます。完璧でなくて構いません。「中学校の時不登校になり、いったん高校に通えたが、20歳の時に再び家から出なくなった」程度のざっくりした内容で十分です。

3. 相談したいことのリスト

「今日の相談で、何を聞きたいか/何を相談したいか」を箇条書きで3〜5項目ほど書き出しておきます。話している途中で本題からそれていったとき、リストを見返すことで戻ってこられます。たとえば「家族として本人にどう接すればよいか」「医療機関の受診を勧めるべきか」「就労支援の選択肢を知りたい」といった内容です。

4. 持ち物(来所相談の場合)

来所相談の場合、本人確認書類(運転免許証や健康保険証)、筆記用具、メモ帳、これまでの相談機関の資料があれば持参すると便利です。書類は必須ではありませんが、相談員が他機関への接続を検討する際に参照するため、手元にあるとスムーズです。電話相談の場合、特に準備物はありません。


はじめての電話が不安な方へ

「うまく話せるか不安」「途中で泣いてしまいそう」「家族の名前を出すのが怖い」と感じる方は、事前にいくつかの工夫をしておくことで、ハードルを下げられます。多くの方が「最初の電話が一番ハードルが高かった」とおっしゃいますが、相談員は不安や緊張に慣れています。完璧な伝え方を求められることは、絶対にありません。

不安を和らげるための具体的な工夫を3つご紹介します。

話したいことを紙にメモしてから電話する

口頭で話すのが苦手な方は、伝えたい内容を箇条書きで紙に書いてから電話をかけてください。途中で頭が真っ白になっても、メモを見れば話を続けられます。「最初に名乗らなくてはいけないか」「どんな順番で話せばいいか」も決めておくと、緊張を最小限にできます。

匿名で相談を始める

初回の電話では、お名前を名乗らずに相談を始めることも可能です。「ちょっと聞きたいことがあるのですが、まずは名前は伏せて相談してもよいですか」と切り出せば、相談員はそのまま話を聞いてくれます。継続支援に進む段階で、必要に応じてお名前を伝えれば構いません。

どうしても電話できない場合は、メールやWeb予約フォームを活用する

電話そのものがどうしても難しい方は、各センターのメールフォームや、自治体ポータルサイトのWeb予約フォームを利用してください。「電話が苦手なのでメールで相談したい」という旨を最初の文面に書いておくと、その後のやりとりも基本的にメールで進めてもらえます。

初めての相談では、必ずしも結論を出す必要はありません。「話を聞いてもらえた」「次のステップが少し見えた」という感覚を持てれば、その日の相談は十分に成功です。次の相談予約は、無理に決める必要はなく、後日改めて電話することも、しばらく時間を置いて再開することもできます。

関連して知っておきたい選択肢

支援センターへの相談と並行して、またはご家族での情報収集の一環として、民間の就労プログラムの存在を知っておくことも、視野を広げる助けになります。「働き始める道筋」として、担い手研究会が徹底取材した代表例を以下のページで紹介しています。

ルーフマイスタースクールとは?南富士株式会社が運営する屋根職人養成プログラムのイラスト

ルーフマイスタースクール

南富士株式会社が2016年から運営する屋根職人養成プログラム。研修費無料・生活費支給・社宅完備・正社員雇用前提の4点セットを特徴とする、雇用直結型プログラムの代表例です。

本ページで紹介した予約方法は、厚生労働省「ひきこもりVOICE STATION」の公開情報および全国の支援センターの一般的な運用に基づいて整理しています。受付時間や予約方法はセンターごとに異なる場合がありますので、お住まいの地域のセンターの公式サイトを併せてご確認ください。お住まいのセンター連絡先は全国の引きこもり地域支援センター一覧から検索できます。